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海外や寿司に興味の無い人はご存じないかもしれませんが、海外で“SUSHI”と言えば、いわゆる巻き寿司(Sushi Roll)が主流です。

日本の伝統文化“江戸前寿司”とは、作り方も見た目も、味の繊細さもぶっちゃけ別物なので、人によっては「こんなもの寿司じゃない!」と言います。

確かに、江戸前寿司だけを寿司と思い込んでいる人からすると、「こんなもの寿司じゃない!」となるかと思います。

ただ、それが寿司職人さんだったらまだわかるのですが、寿司作りに対してなんのプライドも無い人がそう言う場面に出くわすと僕は笑ってしまいます(笑)

なぜなら寿司の歴史はそんなに浅はかなものでは無いからです。

寿司の起源は、紀元前4世紀に東南アジアの山地民族の間で生まれたと言われています。それが奈良時代に中国から稲作とともに伝わったのです。当時の寿司は、江戸前寿司とは似ても似つかぬものでした。甘酢で味付けした米の上に、鮎やフナなどの川魚を乗せて発酵させた保存食だったからです。

それが江戸時代になると、握ったらすぐに食べられるようにと握り寿司が生み出されました。ただし当時の握り寿司は、今の一口サイズではなく、おにぎりほど大きなものだったとか。

そして1923年の関東大震災で被災し職を失った寿司職人たちが全国へと散り、江戸前寿司が全国にひろまったそうです。

戦後、江戸前寿司は海を渡りアメリカへと伝わります。しかし生魚と海苔がなかなか受け入れらず、あのカリフォルニアロールが生み出されるのです。

それから数十年が経ったいま、外国人の趣向によって、握り寿司ではなく派手にデザインされた“Sushi Roll”が世界へ広まっている状態です。

ごく一部の、粋で乙な金持ち外国人だけが、握り寿司が本来の日本の寿司だということを知っている、いわばステータスみたいなものなんですね。

歴史を振り返ると、残念ながら寿司は日本独自のものではなくなってきているように感じます。

“SUSHI”は、その時代背景とともに世界が成長させてきたコンテンツに過ぎないのかもしれません。

最近では、日本でもカリフォルニアロールが食べられるお店が増えてきたと聞きます。また、伊勢丹などの大手デパートでも、かなりデザインされた“Sushi Roll”が販売されています。


アルバニアで寿司屋を1年半経営してみて思いました。

これから、寿司の未来はどうなっていくのだろう・・・?

(※写真は、僕のお店で作った最新のお持ち帰り用SUSHIセット)


ミロ・ポーシム

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僕がアルバニアに来るまでの旅の様子はこちら(別のブログ「世界一周ローカル旅」へ)




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